この記事ではGW~夏季休暇までの期間をまとめています。
この期間は、大野原野営訓練、第1次大矢野原訓練、50km行進と飛躍的な成長を遂げる期間です。
そして、休暇前には高良山登山走があります!いままで土曜日を潰して練成してきた成果を発揮する時ですね。
『陸上自衛隊幹部候補生学校の全て』シリーズの第4弾です!
ちなみに前回の記事 「入校~GW②」 はこちらです!¥
【剛健】陸自幹校(入校~GW②)| 英語クラス分け、空挺・飛行要員適性試験を見る
それではいってみましょう!
休暇明けてすぐの野営 ¦ 大野原野営訓練
精神を回復できたGWが終わって「ちょっと体が慣れるまでペース落として(;´∀`)」って言って休ませてくれるほど、幹部候補生学校は甘くなかったです。
確か、休み明けの2日後には6kmのタイムトライアルがありました...笑
みんな休暇中も体力練成はやってたようで、走ることに関してはそこまで辛いとは感じませんでした。
剛健点呼も容赦なく始まり、幹部候補生学校に帰ってきたと感じます。(悪い意味で)
小隊命令や分隊命令、野外訓練に関する課題が多く、20時~22時の自習の時間はそれらをこなす日々が始まりました。理由は、2週間後に第2回目の野営訓練である大野原野営訓練があるからです!
分隊長としての指揮能力を身につける
この大野原野営訓練での最大の目標は、分隊長としての識能を習得することです!
いままでは、付教官・助教が分隊長役をして自分たちは組長以下の役職で訓練を実施していました。各種命令を下達する範囲も掌握する人員も組員以下(3名程度)で済みました。
それが今回からは分隊(10人程度)を指揮して各訓練を行っていきます。小隊長役は付教官がします。
命令下達・戦闘指導の要領も厳しく指導されるのもここからです!
攻撃の時間までに分隊員に徹底できずに、何回もやり直しさせられました。笑
ここでは、何回も反復訓練させられます。GW明けですが、演習場の気温は高くて突撃するたびに汗がとまりませんでした。
初めて徹夜で穴を掘るという経験
この演習でのメインの訓練のひとつが防御の陣地構築です。
はい。生まれてはじめて徹夜で穴を掘りました。大変でしたね。笑
今でこそ、3夜4日の訓練を何回かしてきたので多少慣れましたが、(いまでも嫌ですが)この時はしんどかったです。
「早く朝になんねぇかなぁ」って思いながら、区隊長の「状況終了!!」の声をずっと待ってました。笑
施設科出身のU´は穴掘るの早かったですね!びっくりしました。全然違うんですもん。
予想してなかった敵
それは「蚊」です!
もう信じられないくらい大群で襲ってきます。笑
ハッカ油スプレーとか虫よけスプレーは気休めにしかならないです。
近くの穴で同期が「プシュー!!」ってスプレーの音出しまくってたら助教にシバかれてました。
「敵に暴露するだろっ!!!」
すみません。でも敵は蚊です。
これから行く人は覚悟したほうがいいと思います。顔が1.5倍に腫れてた同期がいましたから。笑
またすぐに野営訓練 ¦ 第1次大矢野原野営訓練
またすぐに野営訓練です。
この間にもいろいろ訓練や行事をしていたはずなんですが、正直あまり印象に残ってないです。
恐らく射撃検定はこの時期に終了していたと思います。あとは、毎日毎日、訓練・座学・課外の体力練成、そして土日は天神と中洲へ!ってルーティンだったのだろうと回想してます。笑
そんな忙しく充実した日々を送っているうちにきてしまいます。大好きな野営訓練です。
この第1次大矢野原訓練ではいよいよ「小隊長」という役職がはいってきます!命令下達や戦闘指導、実員指揮といった項目においては一層厳しさを増してきます。
廠舎の環境が劣悪すぎる
着いてすぐに宿営準備を始めます。
「なんだここ、狭すぎるわ...(;・∀・)」
「ベッドの隙間がほとんどないじゃん...」
「ほこりっぽすぎて肺炎になりそう」
「この風呂に300人はどうかんがえてもキャパオーバーでしょ」
この廠舎の環境は劣悪でした。時期は7月です。気温も非常に高くなってきて、汗のにおいが入り混じってスパイシーな感じになってました。
単純に候補生の人数が多すぎるんですね。まぁ、慣れますよ、たぶん。
いろいろ鍛えられます。笑
はじめての小隊長動作
小隊長になると一気に指揮する人数は15人(2コ分隊)ほどに増えます。
ですが、命令や戦闘指導は各分隊長に対して行うので、あくまで分隊長の延長という感覚で望めました。
この段階では、小隊長として作戦図や構想・命令を一から考えることは求められないので、「実員指揮」に特化した項目で教育をされます。
「それぞれの時期・場所で適時適切な命令で部隊を行動させられるのか」が重要です。
ヘンテコな命令下達とかやってると
付教官:「おい!なしざわ候補生、分隊長がしっかり理解できてないぞ。確認したのか?」
私:「一応確認しました。」
付教官:「一応ってなんだ?やりなおせ」
私:「はい!なしざわ候補生!」
死にそうなくらい暑い中、何回もやり直しさせられることになります...
50km行進
このくらいの時期に50km行進訓練があります。演習でやるのではなく、幹部候補生学校を出発して50km歩いて戻ってきます。
この50km行進はかなりの対策をしていったので、大変ですが歩くことはできました。
ただ、この行進訓練は自分を試す場でもあります。
そこで用意させるのが「剛健ピース」です!
ヤバくないですか?笑
このブロックを1番多い人で4つ背嚢に入れて歩いてました。化け物です。ちなみに自分はゼロです。楽をすることに全力な人間なので。笑
あと、なぜか飲んだ水も計測されてます。自己申告になりますが、1番少ない人でたしか500㎖とかだった気がします。体の構造が違うんでしょうね、きっと。
私は2.5ℓをガブガブ飲んで歩きました。
「幹部の水は部下の水!」
戦術教育が本格化する
この時期くらいから戦術教育が本格化します。戦術は幹部自衛官としての共通言語です。普段の業務でも、戦術の考え方に沿った資料を作成したりします。
本格的に学ぶのはBOC以降になりますが、ここで基礎をしっかり押さえておきましょう。
幹部候補生の課目試験で唯一、平均点が大きく下がる課目です。暗記ではなく、しっかりと理解することが求められます。
ちなみに課目試験についてはこちらの記事で少し述べているので、参考に!
高良山登山走
いよいよ夏季休暇も目前です。たしか夏季休暇の2日前くらいにやりました。
土曜日の練成も!「温石(おんじゃく)といく地獄も!全てはこの日のためにありました。
※補足すると「温石」というのは学校の東側にある山です。練成に行くのですが、「もう無理だ・・・」って思うくらいキツイです。急な坂道を何本も走ります。
この合格基準は男子が30分以内、女子が35分以内だった気がします。
総距離が5.6km、内訳は平地3.0kmの山道2.6kmです。
はっきり言うと、練成がキツすぎたので「もうはやく高良山終わってくれっ!」って思ってました。笑
スタートする時は緊張しますが、「もう1回死んでくれば解放される」って思えば足運びも軽くなります。爆死
自分は26分07秒だったので遅い方でしたね!
そういえばこんなのあったな
ここからは「そういえばこんな行事とかあったな」っていうやつを適当に紹介していきます!
里親の会
なんか「里親の会」っていうグループに所属させられます。メンバーは課目の教官1~2名、助教などの学校職員1~2名、Iの部内幹部5名、BU幹部5名くらいですね。
定期的に昼食したり、飲み会があったり、何かと里親グループで行動することがあります。
目的は苦しい学校生活において相談相手を増やすことだそうです。
効果があったのかは分かりません。笑
クラブ活動
クラブは強制参加で希望して選びます。自分は「茶道部」を熱望しましたが抽選で落ちました。笑
何でもいいと思いますが、準備や片付けに時間のかからないクラブ活動がオススメです!
理由は、時間がない生活の中で、10分早くクラブ活動が終わるのはメリットが大きいです。空いてるうちに風呂や食堂に行くことができます。
「空手部」とかはクソ楽そうでした。服装も体育服装のままですし、準備するものもありません。型をやるだけなので何も気負う必要はありません。
部外講話
結構ありました。その度に睡魔と闘うことになります。
普段かなり追い込まれた生活をしてます。仕方ありません。
でも、寝てる候補生が多いのでシバかれます。毎回シバかれます。なのに、改善されません。生理的欲求の恐ろしさです。
水泳検定
水泳検定もあります。うろ覚えですが、潜水15m、武器と装具をつけての着装泳、立ち泳ぎ1分間が最終的な合格ラインだった気がします。
立ち泳ぎがキツかったですね!レンジャーとか西普連を目指す人は頑張ったほうがいいと思います。のちのちも必要になるので。
夏季休暇!
高良山登山走の筋肉痛を引きずりながら夏季休暇に入ります!この時期は外泊もできていたのでGWほどの嬉しさはなかったですね。
同期と天神で飲んで、1泊してから帰りました。
終わり! GW~夏季休暇
GW~夏季休暇はこれで終わります。ビックイベントである高良山登山走が終わったのが大きいですね!これ以降、高良山を走ることはありません。土曜日の練成は続きますが。笑
でも、毎週ではなくなったかな。いや、すぐに藤山武装障害走があるのでその練成をしていたような気がします。
次の記事は『夏季休暇~正月休みまで』です。下からどうぞ!
【完成】100km行進、藤山武装障害走 (夏季休暇~正月)| 幹部候補生学校を見る
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