なしざわです!
今回は幹部自衛官時代の私の年収をモデルケースに紹介しましょう!
幹部自衛官の年収で検索すると、基本給の計算方法や各種手当や階級別のおおよその年収を調べることができます。
でも、実際にいくらなのかって結構分かりにくいんですよね。笑
そこで今回は、自分自身をモデルケースにして、幹部自衛官になって4年目くらいまでの年収を公開したいと思います。
1番最後の年収は平成31年度のものです。当時は25歳でした。
その年収は490万3738円です。手取りだと338万円です。
転職サイトのdodaの調査によると、25歳男性の平均年収は374万円なのでだいぶ高い年収をもらっていたことになります。
ちなみに私はヘリコプターのパイロットや空挺団の隊員ではなかったので、特別な手当は何もついていません。
独身でしたので、扶養手当もありません。
モデルケースとしては最適ですね!
それでは、幹部候補生~2等陸尉で退職するまでの年収をざっとみていきましょう!
平成28年度:幹部候補生時代
大学を卒業して幹部候補生学校に入校したのが平成28年度です。
幹部候補生の募集要項を見ていみると、基本給は 22万5,100円 となっていますね。
この時は幹部候補生として入校して教育を受けている期間なので、もちろん手当は特にありません。
また、平成28年度は4月~12月での計算となります。
さて、この時の年収です。
年 収 | 手取り |
266万4,789円 | 168万4,800円 |
やはり最初の年収なのでだいぶ下がりますね。まだ各種手当がついてないのも大きいです。
ボーナスは6月も支給されますが、一般大卒だと満額はもらえません。確か10万円くらいです。(防大卒は46万円くらいもらえます。)
この時の階級は陸曹長、号棒は1号棒です。
自衛官の基本給は階級×号俸で決まります。
号俸は通常で年1回4号俸ずつ昇給します。
平成29年度:3等陸尉時代
幹部候補生学校を無事に卒業して部隊配属になった年です。
部隊配属後は給料が大きく上がります。理由は各種手当が支給されるのが大きいです。
さて、この年の年収です。
年 収 | 手取り |
472万8,600円 | 327万0,000円 |
やっぱり各種手当がつくといっきに上がりますね!
階級の昇任と号棒の昇給も関係あります!
この時の階級は3等陸尉、号俸は5号俸です!
俸給表による基本給は25万0,200円です。
支給されていた手当は以下のものです。
各種手当 | 支給割合 |
地域手当 | 3% |
寒冷地手当 | 冬季のみ毎月8,000円 |
広域異動手当 | 10% |
住居手当 | 毎月2万1,500円 |
それでは各種手当についてみていきます。
各種手当
部隊配属後に支給されるようになった各種手当について紹介しましょう。
地域手当
まずは地域手当です。これは勤務する駐屯地が所在する都市によって決まっています。
支給される手当は0%~20%とかなりの差があります。
20%ももらったら1階級上の給料をもらっているようなもんです。
基本的に都会であればあるほど高く、田舎だと低くなります。
1:勤務地によって生じる物価の差
2:民間企業との賃金水準の差
この2つを調整することが目的みたいですね!
寒冷地手当
寒い地域では冬季に暖房代が多くかかります。その差を調整するための手当です。
この手当は11月~3月の期間限定です。地域によって異なり、単身なら最大で毎月14,580円~10,200円で支給されます。
私の時はもっと安く毎月8000円程度でした。
広域異動手当
この手当は異動した日から3年間支給されます。
支給される割合は距離によって異なります。
距離区分 | 300km以上 | 60km以上300km未満 |
割合 | 10% | 5% |
人事院のHPで調べたところこのようになっていました。
幹部候補生学校から部隊配置で異動する際の距離が適用されます。
幹部自衛官は全国異動なので、適用される時期も多いはずです。
住居手当
これは官舎以外の民間のアパート等に居住した場合に支給される手当です。
最高支給額は2万7,000円です。家賃の半額が支給されます。
つまり、家賃5万4,000円までなら半額分が支給され、それ以上に家賃の高い場所に住むでも2万7,000円以上は支給されないということです。
平成30年度:3等陸尉時代
この年に私は駐屯地を異動しました。ですが、変わったのは号俸と各種手当の割合くらいです。それほど大きい変化はありません。
この年の年収です。冒頭で紹介した通りです!
年 収 | 手取り |
490万3,783円 | 338万0000円 |
この時の階級は3等陸尉、号棒は9号俸です。
俸給表による基本給は25万4,200円です。
実は基本給は昇給だけだと、年に4,000円しか上がりません...
この時に支給されていた手当は以下のものです。
各種手当 | 支給割合 |
地域手当 | 6% |
広域異動手当 | 10% |
住居手当 | 毎月2万0,500円 |
令和元年度:2等陸尉時代
最後です!令和元年度です。
この年に私は幹部自衛官を退職しているので、年収ははっきりとは分かりません。
この時の階級が2等陸尉、号棒は13号俸です。
俸給表による基本給は27万7,900円です。
階級の昇任と昇給が重なったので、結構上がりましたね!
この基本給から計算すると、想定年収は約517万円です
最後に
お疲れ様でした!今回は私自身をモデルケースとして初級幹部の年収を紹介してきました。
私には特別な手当は特についておらず、ほとんどの隊員が支給されている手当のみです。
基本給では防大・一般大卒の幹部であればこの初級幹部時代には差がつきません。
差がつくのは手当です。紹介した手当以外にも自衛隊にはたくさんの手当があります。
特に割合が高いのは「パイロット」です。陸上だけではなく、海・空自も含めれば「艦艇手当」や「潜水艦手当」もあります。
ただ、特別な手当のない勤続4年目の26~27歳で500万円を超える年収が得られると考えると公務員としては高い給料ではないでしょうか。
その分、大変な仕事でしたが生活するのに困らない年収は獲得することができます。
昇任して佐官という階級になると基本給も一気にあがります。
年収だけでみれば平均所得を大きく上回ることができる職業です。
ちなみに、自衛隊には残業手当はありません。
無限の労働がサービス残業に含まれてしまっています。笑
今回の記事が参考になればうれしいです。ありがとうございました!
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