【重要】自衛隊で免許は取得できる? │ 職種によって変わる時期と種類

自衛隊

自衛隊では職務上必要となる様々な免許を取得することが出来ます!

それも無料で取得できるため、自衛隊に入隊する人の中にはこんな感じで考えている人も少なくありません。

「無料で免許を取得して任期満了で退職しよう!」

「転職する時にはさらに免許を取得させてくれるらしい...」

確かに無料で免許を取得することは出来ます。しかし、免許を取得して任期満了で退職しようと考えている方は注意が必要です。

もしかしたら、全く免許を取得できない可能性もあります。

なぜなら、「どんな免許をいつ取得できるのか」ということは配属される職種・部隊によって異なるからです。

また、自衛隊で取得できる免許には制限があります。

今回はそんな自衛隊の免許取得、特に「免許を取得して転職したい」と考えている方向けの情報です。

自衛隊で取得できる免許の数は非常に多いですが、今回は車両等の運転免許を説明します。

入隊してすぐに車両の免許が取得できるわけではなかったりします。1任期で取得できたら職種によっては早いほうです。

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大型自動車免許

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

まずは1番多くの人が取得したいであろう大型自動車の免許です!

自衛隊の車両は大型車両が多いです。そのため、自衛隊が運営する自動車教習所では、普通免許を持っていない人でもいきなり大型免許を取得します。

普通は、いきなり大型免許を取得することは出来ません。なぜなら、免許取得には以下の要件を満たさないといけないからです。

・年齢:満21歳以上
・条件: 普通車免許または、中型免許か大型特殊免許を取得していてその免許経歴(免許停止期間を除く)が通算3年以上の方


しかし自衛隊員はこの条件が適用外になっています。

職務の特性上、若年隊員であっても大型車両を運行する必要があるからです。

そんな自衛隊員に認められた特権で早く取得できる大型免許ですが、悲しいことに実は限定免許なのです...

大型免許には制限があり

自衛隊で取得した大型免許で運転できるのは、自衛隊の車両のみなのです。

「大型車は自衛隊用自動車に限る」と運転免許証にもしっかりと記載されます。

したがって退職後に運転できる一般の車両は「中型自動車」までになります。

大型トラックは運転できません。

もし、大型トラックのドライバーになりたいのであれば、民間の教習所に通って限定解除をする必要があります。

6~8時限の教習。
費用は12~15万程度で解除できるそうです。

最速で取得できるのは輸送科

この大型免許を最速で取得できる職種は輸送科になります。

輸送科は文字通り「輸送」を専門とする職種です。そのため、大型トラック・特大型トラックの操縦手を早期に育成する必要があります。

輸送科では、新隊員教育の後期教育で全員免許を取得します!具体的には、自衛隊に入隊後6ヶ月後ですね。

輸送科に配属されれば1任期中に間違いなく大型免許が取得できます。しかし、この輸送科という職種は他の職種に比べて人が少ないです。

希望しても輸送科にはなれない隊員も多くいます。

その他はどんな職種だと取得しやすいか

その他の職種では施設科や後方支援系の職種は全体的に早めに取得が出来ます。

施設科も大型車両、特にダンプを頻繁に使う機会が多いため操縦手を早期に育成する必要があるからです。

その他の後方支援系の職種が早く取得できるのは、同じ部隊に同期の隊員が少ないためです。

自動車教習所に何人いけるかというのは、各部隊ごとの枠で毎年決められます。

そのため、普通科のように同期が同じ部隊にたくさんいるとその同期の中から選ばれなければいけません。まだ取得していない先輩たちの数も多くなるため、その順番待ちもあります。

結果、競争の比較的少ない後方支援系の職種や人の少ない職種のほうが早めに取得ができます。

けん引免許

けん引免許も取得できます!けん引免許を最速で取得できるのも輸送科です。

戦車等の重車両を輸送する方面輸送隊のトレーラ中隊の隊員がもっとも早く取得できます。

トレーラ部隊でなかったとしても、輸送科の隊員なら恐らく1任期目でけん引免許を取得できます。

その他の職種では、入隊後5~10年後くらいでしょうか。

毎年部隊に割り振られる枠は少ないですが、必要度は高い免許です。

なぜなら、自衛隊には「1tトレーラ」、「水トレ」、「炊事車」と演習する際には必ずけん引する車両が発生するためです。

輸送科以外の隊員では、1~2任期目で免許を取得するのは難しいでしょう。
施設科ならトレーラもあるので、比較的早いかもしれません。

大型特殊免許

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

クレーン車、ブルドーザー、ショベルカー、ロードローラーなどの工事用の車、除雪車、路面清掃車などの道路を整備するための車を運転するのに必要な免許です。

この免許を最も早く取得できるのは施設科です。施設科が担う任務の特性上、早期に免許を取得させる必要があるからです。

その他の職種でも大型特殊免許を取得することは出来ますが、優先順位はかなり下がります。

他の職種では、陸士のうちに取得することはないでしょう。

機甲科の戦車部隊でも取得できるが・・・

この大型特殊免許は機甲科の戦車部隊なら施設科よりも早く取得できます。

しかし、「大特車はカタピラ車に限る」という限定免許になってしまうため、民間では使えません。

普通自動二輪免許

この免許を取得するためには、機甲科の偵察部隊に配属される必要があります。

偵察に配属されたら早い段階でこの免許が取得できます。

しかも、オフロードバイクのテクニックが身に付きます。笑
特技教育になってしまいますが、一般の教習では身につかないテクニックを学べますよ。

免許を取得するためには

少ない枠の中で優先的に免許を取得するためには、やってはいけないことがあります。

それは、当初から「任期満了で退職する」と断言してしまうことです。
 
なぜなら、部隊にとって自衛隊を続けない人に免許を取得させるメリットがないからです。

免許の取得には時間がかかります。その間は、自動車教習所に入所しているため、その人の負担は部隊が背負うことになります。

また、免許を取得させることができる枠も決まっています。その枠の増加は難しいためとても貴重です。

そんな貴重な時間と枠を消費して部隊が優先的に免許を取得させるのは、当然ながら「将来は陸曹になりたい」という陸士です。

進路は「陸曹を目指したい」とするのがベター

あなたが「任期満了での退職」しか考えていなかったとします。

しかし!当初の進路は「陸曹を希望」を選択しておきましょう。

最初から「任期満了での退職を希望」と断言してしまうのはデメリットばかりです。

部隊長や小隊長、班長といった人々の印象もそちらのほうがいいです。

最初から退職希望で入隊すると、「どうせコイツは任期満了で退職だしなぁ」と思われて、成績や免許取得の優先順位などいろんなことに少なからず影響があります。

嘘でも構いません。「陸曹を希望」としましょう。

その後、任期継続の希望調査があったときに「任期満了で退職」に切り替えればよいのです。

隊長や小隊長は「その人の将来性と必要性」を考慮して免許取得の優先順位を決めます。

最後に

自衛隊で取得できる免許の数が多いのは事実です。

しかし、1~2任期期間(2~4年)で取得できる免許はかなり少ないです。
 
「自衛隊に入隊して無料で免許を取得して転職する」ということを簡単に考えているなら、1度よく検討してみたほうが良さそうです。

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