【剛健】陸自幹校(入校~GW②)| 英語クラス分け、空挺・飛行要員適性試験

自衛隊

この記事では 入校式~GW までの期間についてまとめています。

この期間はいきなり激しい訓練には入りません!

TOEICによるクラス分け、空挺・飛行要員・車両適性試験などを実施していきます。特に、適性試験は自分の職種や方向性に関係してくるので重要です。また休日と外泊などの生活面についても見ていきます。

『陸上自衛隊幹部候補生学校の全て』シリーズの第3弾です!

ちなみに前回の記事 「入校~GW①」 はこちらです!
【地獄】幹部候補生学校(入校~GW①)| 防大卒の襲来、そして入校式を見る

それではいってみましょう!

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クラス分け及び適正検査

入校式を終えてすぐ訓練尽くしの毎日が始まるのかというとそうではありません。

当初はクラス分けの試験や適性検査が多くあります!一部になりますが、ご紹介しましょう!

英語TOEICによるクラス分け

英語の座学に向けてTOEICによるクラス分けが行われます!
自衛隊では英語といえばTOEICです。TOEICの点数がその人の英語力としてみなされます。

BU幹部の英語のクラスはA~Dの4つに分けられています。

自分の感覚だとだいたい下の表くらいのスコアでクラス分けされていました!

思ったよりも高くないんじゃないでしょうか?ずば抜けて高い人もいますが、 平均は500点前後だと思います。英語の得意な人はそれほど多くないです。

ちなみに幹部候補生学校を卒業する際には最低でも400点以上はほしいです。

なぜなら、幹部初級英語課程(POE)に入校できる基準が400点以上だからです!

このPOEでは約3か月でTOEIC600点以上を目指します。

国際支援で海外に行く際に求められる条件にPOE課程修了またはTOEIC600点以上というものがあります。

絶対ではありませんが、ある程度の英語力がないと優先的に国際支援等に行くことはできなくなってしまいます。

自衛隊も英語教育は重視しているので、幹部候補生入校前にある程度TOEICの学習はしておいて損はないです!

というか、すべきです。笑(私はサボってしまいましたが)

空挺適性試験、飛行要員適性試験及び車両適性試験

この時期に実施される適性試験には3つがあります!1つずつ見ていきましょう!

空挺適性試験

1つ目は空挺適性試験です!

「精鋭無比」の第1空挺団や基本降下課程を希望する隊員は「適」の評価が必要です。

細かい検査内容は割愛します。それに知っていても特に対策できるものではないと思います。

強いて言うなら、裸眼視力が必要です。現在の自衛隊ではレーシックやICLといった視力矯正手術は認められているはずなので、どうしても空挺団や基本降下課程に行きたい人で裸眼視力0.1未満の人はレーシックも考えてみたほうがいいかもしれません。

※上記の要件は正確な条件ではないかもしれないので、直接地本などに問い合わせてみてください。教えてくれるはずです。

飛行要員適性試験

大人気のヘリパイロットになるために必要な適性試験です。これもヘリパイを熱望するなら絶対に「適」の評価が必要だと思います。

これも細かい検査内容な割愛します。確か、脳波検査などもあるので身体的な要因で「凖適」や「不適」になってしまう人もいます。

ヘリパイを目指したい人にとっては、ひとつの分岐点になる検査なので全力で受けましょう!

これももちろん裸眼視力がある程度必要だったはずです。

車両適性試験

これは確かクレペリン検査と性格検査、そして深視力が検査項目だったと思います。たぶんほとんどの人が「適」になると思います。

関係するのは、幹部で車両免許を取得する輸送科、機甲科くらいでしょうか。

体力検定

入校時の体力検定が実施されます!体力検定は入校時、中間、卒業時と全部で3回実施されます。

幹部候補生の体力検定は年齢関係なしに一定の基準が設定されています。基準に変更がなければこんな感じだったと思います!

種目最低基準
腕立て伏せ52回
腹筋54回
3000m13分38秒くらい?

落ちる人はほとんど腕立て伏せで落ちます!入校前に腕立て伏せはやっておきましょう。

説明会とかで「入校前に練成なんてしなくていいよ」って言われますが、鵜呑みにしないように。落ちると悲惨な目に合います。就寝直前に腕立て伏せをすることになります。

特に腕立て伏せはなかなか回数が伸びないので、入校前に自主トレしたほうが自分のためです。

入校時の体力検定で思い知るB(防大卒)との差

最初の体力検定で落ちるのは、ほぼUだけです。Uでも体育会系の部活動出身ですごい人はいますが、ごく少数です。

やっぱり4年間鍛えているだけあって違います。

戦術や野外訓練ではBUの差は卒業時にはほとんど無くなりますが、体力検定での差はずっとありました。

始まった訓練と座学

入校式が終わって銃も与されたのでいよいよ訓練が本格的に始まります。といっても、まだ基礎訓練です。

幹部候補生学校の公式HPの課目でいう戦闘戦技訓練ですね!

各個訓練、分隊訓練と進んでいきます。まだ駐屯地内で行われる訓練ばかりですね。

意外と多いよ、座学

自衛隊の訓練というと、野外で匍匐前進や格闘、射撃ばかりしているイメージでしょうか?笑

ここは自衛隊の「幹部」を育てる学校なので座学が非常に多いです。1日座学で終わってしまう日もあります。(そういう日は楽です。移動と準備がないので。笑)

学ぶことは幅広いです。この段階では、まだ職種は関係ないので普通科小銃小隊長をベースにしたカリキュラムになっています。

ここでは詳しく書けませんが、今後、陸上自衛隊の幹部として勤務していくうえで必要になる知識ばかりです。

「ここでの教育がどれほど重要だったのか」は、おそらく部隊勤務を経験してはじめて実感できるでしょう。

休日と外出について

休日は土日祝日が基本です。土日に訓練等があった場合は平日に代休になります。

教育期間中なので、代休はしっかりとれます。安心してください。部隊勤務では代休がどんどん溜まります。笑

土日祝日は確かに休みですが、幹部候補生学校はそんなに甘くありません。

以下で紹介します。

金曜日の夜に行われる外出点検

幹部候補生は外出点検を受けて許可が出ないと外出できません。(新隊員教育隊なども同様です。)

点検されるのは、清掃状況、各部屋と施設の整理整頓、ロッカーの施錠状況、身分証の縛着などです。

もちろん、不備な事項があれば是正させられます。なんやかんやで外出点検が終了するのはいつも20時くらいです。

20時から外出して門限が22時とかなのでどこにも行く気がしません。笑 金曜日は半長靴を磨いたり、洗濯したりして終わってました。

この外出点検の要領は最初は付教官が点検をしますが、そのうち小隊長の役職に上番している候補生が実施するようになります。

この外出点検をどれだけうまく乗り切れるかで、その小隊長役の候補生の評価が決まります。笑 

外出という唯一の楽しみがかかっているので、同期みんながピリピりするからです。笑

土曜日は体力練成

土曜日は休みですが、休みではありません!

各区隊ごと体力練成をやります。多くは午前中だけ実施している区隊が多かったですね。

メインは高良山登山走に向けた練成でした。高良山登山走については「GW~夏季休暇まで」の記事で取り上げたいと思います!

結局、卒業間際まで土曜日の体力練成は続きましたね...(^-^;

外泊は出来るの?

結論ですが、この時期はまだ外泊はできません!

外泊が出来るようになるのはGW以降です。

なので、外出してもその日の門限までに帰隊しなければなりません。

はじめての野営訓練 ¦ 高良台

GW前にはじめての野営訓練があります。場所は高良台演習場でしたね。ここの演習は各個訓練と分隊訓練の反復、そして30km行進です。

この野営訓練の最大の特徴は「赤土」です。赤い粘土質の土で覆われている演習場で、雨が降るともう最悪です。

そこを匍匐前進していくとまるで、「赤土でできた蠟人形」みたいになります。

自分のGショックは至る所に土が詰まって終了したので、絶対にいい時計は付けていかないように。笑

噂だと現在は高良台では演習していないそうですね!
ぜひ蠟人形になって欲しかったのですが。笑

はじめての30km行進

この高良台野営の1番最後に30km行進訓練があります。幹部候補生学校の入ってはじめての行進訓練です。

「なんだ、30kmくらい楽勝じゃないか」って思うかもしれません。この訓練の厳しいところは、0700~1500までガッツり訓練して、そのまま行進訓練がはじまるところです。

つまり!行進訓練がはじまる時にはすでに疲れ切っているんです。笑

なんとか励まし合いながら歩きました。体調不良で脱落してしまったのは、35人中1人でしたね。

そしてGWへと突入

入校式から続いた怒涛の日々が一端終わる日が来ました!GW(ゴールデンウィーク)という長期休暇に入ります。

幹部候補生学校の生活において、このGWという期間はひとつの大きい区切りになります。

それでは、見ていきましょう。

言葉にできない嬉しさがこみあげる

最高に嬉しいです!この時の嬉しさは未だに忘れられません。
なぜかってそれは...

入校以来はじめて起床ラッパを聞かなくて済んだからです!笑

もう起床ラッパがストレスで溜まりませんでした。起床ラッパ=剛健点呼と体に染みついてしまったからです。

GWまでは外泊が許可されていなかったので、強制的に起床ラッパで叩き起こされていました。

家族に会える

幹部候補生学校に入校しているのを1番心配しているのは、家族です。幹部候補生学校での生活は経験した人でないと分からない厳しさがあります。

何をしているのか分からないこそ、家族は心配しています。

そんな家族に幹部候補生学校の話を出来た時は素直に嬉しかったです。卒業まで頑張ろうと思えました。

以降、行動の自由が広がる!

GW以降、幹部候補生学校での生活が少し楽になり、行動の自由が広がります!

理由の1つ目は「組あるいは単独での行動が可能になる」からです!

GW前までは、ずっと分隊(8~10人)規模で行動していました。それが1~2人で行動が可能になるので、食堂やお風呂に行く時にある程度自分のペースで過ごすことが出来ます。

理由の2つ目は 「外泊が可能になる」からです!ホテル等への外泊が可能になるので、福岡の天神や中洲に余裕をもって遊びに行けます。

人によりますが、私は天神・博多・中洲に結構行ってました。笑

毎週カプセルホテルに泊まっていたので、結構お金がかかりましたね!でも、普段は営内生活でお金がかからないのでよしとしましょう!笑

記事のまとめ

最後にこの記事をまとめておきます!

●まずはクラス分けと適性検査があるよ!希望の職種がある人は全力で受けよう!
●体力検定の種目は入校前からやっておこう!特に腕立て!
●土曜日は体力練成、GWまでは外泊は出来ないよ!
●とりあえずGWを目標に頑張ろう!そうすれば、いろいろ楽になるから!

入校~GW②はここまで

いや~実際に記事にしてみると結構な量になりますね。笑

訓練の内容とか詳しい教育の流れは陸上自衛隊幹部候補生学校公式HPを参照して下さい!

次は真夏の幹部候補生学校になります!次の記事『GW~夏季休暇まで』は下のリンクから!
【灼熱】幹部候補生学校の夏!(GW~夏季休暇)| 生活、訓練、高良山登山走を見る

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