どうも!なしざわです!
今回は30歳以上でも入隊をオススメできる人の条件についてまとめてみたいと思います。
私は少し前に「30歳以上での入隊をオススメしない」という趣旨の記事を投稿しました。
【30歳~】自衛隊入隊をオススメしない理由 ¦ 採用年齢引き上げで考えるべきこと
先日この記事を読んで頂いた方から「やっぱり30歳から入隊するのは厳しいのでしょうか?」というメールを頂いたので、逆に30歳以上でも入隊をオススメできる人の条件を私なりに考えてまとめていきたいと思います。
考えてみた結果、この6つの条件に絞ることが出来ました。
1.運動や筋トレの習慣がある人
2.営内生活が苦にならない人
3. 体育会系の組織、上下関係の厳しい組織に実際に所属していた経験のある人
4.自衛隊に関して何か好きになれるものがある人
5.どうしても公務員という地位が欲しい人
6.年収が300万円未満で今後も上がる見込みの少ない人
この6つの条件に当てはまる方は30歳からでも入隊をオススメできます!
それでは個別にみていきましょう!
1.運動や筋トレの習慣がある人
自衛官にとって体力はとても重要です。それは、有事や災害派遣の際に必須となるのはもちろんのことながら、教育期間での成績や昇任などにも大きく関わってくるからです。
もし、高校や大学を卒業してから普段の生活で全く運動や筋トレをしないで過ごした30歳の方の基礎体力はかなり低下しています。
大学まで運動部でアスリート同様の強度で運動をしていた方ならまだマシかもしれません。(それでも現役の頃とはほど遠い基礎体力になっているでしょう。)
自衛隊に一般隊員として入隊し、国家公務員として安定した地位を得られる「曹」という階級になるまでにはいくつかの教育期間に入校する必要があります。
具体的な教育期間は下記のものです。
・新隊員前期 (諸職種共通)
・新隊員後期 (各職種ごと)
・陸曹教育隊 (各職種共通)
・陸曹後期教育(各職種ごと)
教育期間での体力検定は成績に大きく影響する。
各教育期間の中では必ず体力検定が実施されます。そしてその検定結果は成績に大きく影響します。
なぜなら、「数字」としてダイレクトに成績に反映されるからです。
普段の素行(営内服務と言います)の点数は評価する班長によってもやや左右されますし、同期との相対的な評価になりやすいです。
しかし、「数字」として記録される体力検定の結果は1級・2級などの絶対的な評価として残ります。
陸曹教育隊での成績で昇任速度が決まる
現行の自衛隊制度では、「曹」階級の人の昇任速度を決めるのは陸曹教育隊での成績が全てです。
ですから、成績の比率の高い体力検定で低い数字を出してしまうと他の「服務点」や「課目試験の成績点」でかなり挽回しないと上位の成績をとることは難しくなります。
そして当たり前ですが、基本的に体力のある人は若い人です。体力検定では年齢によって各級の基準が異なりますが(陸曹教育隊では年齢は考慮されていなかったかもしれません)、22歳よりも30歳のほうがどう考えても不利になるでしょう。
運動や筋トレの習慣がある人のほうが絶対にいい
上記のような理由から自衛隊において体力は非常に重要です。
自衛隊において「体力のないヤツ=出来ないヤツ」と思われても仕方がないです。
だからこそ、普段から運動や筋トレを習慣化できていて基礎体力が高めの人のほうが圧倒的に有利です。
2.営内生活が苦にならない人
自衛隊では何をするにも集団行動が基本です。そして教育期間や部隊配置後もしばらくの間は駐屯地内で過ごすことになります。
駐屯地内に住むことを「営内生活」といいますが、他の同期や先輩たちと朝から晩までずっと一緒に過ごすことになります。
家族よりも濃密な時間を過ごすことになるでしょう。
居室内は仕切りなどもないので、プライベートな空間はほぼありません。ですから、集団行動やプライベート空間が制約された状況でも精神的な苦痛をあまり感じない人でないとオススメは出来ません。
新隊員や陸士でも「営内生活が苦痛なので任期満了で退職したい」という人が少なからずいましたね。
性格も関係してくるので、適性は大切です。
3. 体育会系の組織、上下関係の厳しい組織に実際に所属していた経験のある人
「自衛隊は体育会系の組織じゃないよ!」というアピールをたまに見かけますが、どう考えても体育会系の組織です。笑
特に階級や期別による上下関係は厳格です。私は幹部でしたが、幹部は幹部の中で序列があって何かと細かく大変です。
この点については「実際に所属していた」ということが大切です。
「体育会系のノリとか厳しい上下関係とか慣れるものでしょ」くらいの気持ちで行くと全く合わない可能性もあります。
もちろん、いろいろな性格の人がいるので絶対条件ではないですね!
でも、文化としては間違いなく体育会系の組織なのは間違いないのでそこは覚悟していく必要がありますね。
10歳年下の班長に厳しく指導されても苦にならないこと
もう1つ覚悟しておくことは、あなたが30歳で入隊した場合に1番身近で教育や指導をしてくれる班長の多くは24~27歳くらいの自衛官であるということです。
いくら30歳といえど、自衛隊では1番下っ端になります。
危険を伴う訓練もありますから、時にはずっと年下の班長に怒鳴られることもあるでしょう。
人格を否定するようなことを言ってくる班長はおそらくいないと思いますが、プライドの高い人は少し傷ついてしまうかもしれません。
4.自衛隊に関して何か好きになれるものがある人
何でもいいです!自衛隊に関することなら!笑
「銃や兵器が好き」
「仕事で体力練成ができるなんて最高!」
「自衛隊で山岳訓練やスキーがしたい!」
「自衛隊の登場する映画やアニメが好きだ」
何か1つでも好きなものや情熱を向けられるものがあると仕事で悩んだり、辛いことがあっても支えになってくれます。
好きなものがあり、実際にそれを使ったり行ったりすることで「自衛官としての自分」も好きになれるはずです。
「自衛隊のここが好き!」と明確に言える人は入隊をオススメできます。
5.どうしても公務員という地位が欲しい人
現実的な話になりますが、公務員試験において「自衛官候補生」はもっとも難易度が低い試験です。
身体検査の要件さえクリア出来れば、勉強が得意でない人や社会人でなかなか勉強時間が確保できない人にとっては有力な選択肢のひとつとなるでしょう。
もちろん、「士」として入隊した後に「曹」になるための陸曹候補生試験に合格する必要はありますが、そこまで含めても学力的には難しくないです。
自衛隊も人手不足が深刻です。事故なども問題さえ起こさずに最低限の努力が出来れば合格できるはずです。
公務員の中でもかなり特殊な組織です。本来は「公務員になりたいから」という理由だけでの入隊はあまりオススメできませんが、学力的にどうしても自衛官候補生以外は厳しいという方には消去法でこの選択肢しか残らないでしょう。
6.年収が300万円未満で今後も上がる見込みの少ない人
これも現実的な話ですね。
30歳の段階で年収300万円未満かつ今後も上がる見込みが少ないとなると、将来的に不安になる方も多いと思います。
失礼かもしれませんが、そういう方は市場価値の高いスキルや専門知識を持っていない場合がほとんどではないでしょうか。
もし、「絶対に陸曹・海曹・空曹になってやる」という覚悟で入隊し、無事に「曹」になることが出来れば年収は確実に300万円以上になります。
毎年昇給もしていきますし、階級が上がり役職手当もつけば給料もグッと良くなります。
ボーナスは4.5か月分が必ず支給されますし、公務員ブランドによって福利厚生も充実しています。
営内生活では「衣・食・住」がタダですし、家族がいて営外生活になっても官舎に住めば格安で広い場所に住むことができます。
そして何よりも将来に対して安定したライフプランを描くことができます。
年収300万未満で上がる見込みも少なかった状態では想像できなかったライフプランが実現可能になります。
転職市場が盛んになり、「人生を変える」というキーワードがひとつのテーマになっています。
スキルも知識も必要なく、国家公務員として安定した将来を手に入れられる自衛官になることは本当に「人生を変えること」なのかもしれませんね。
最後に
30歳以上でも入隊をオススメできる人の条件についてまとめました!
今回の記事で30歳以上で入隊するメリットとデメリットを両方紹介できたと思います。
是非、現役自衛官である地方協力本部の広報官とも対談してみてください。
あたなにとって最良の選択になることを願っています。
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