今回は私が転職した時に作成した履歴書と職務経歴書を紹介したいと思います!
転職する際に絶対に必要となるのが、「履歴書」と「職務経歴書」です!
それは特別職国家公務員である自衛官から転職する際にも同様です。
特に、自衛隊の就職援護を利用せずに自分で次の転職先を探す際には、重要な資料になります。
なぜなら、「履歴書」と「職務経歴書」があなたと応募する企業とのファーストコンタクトになるからです。
出来の悪い職務経歴書でエントリーしては、書類選考の段階で落とされてしまいます。
そんな大切な「履歴書」と「職務経歴書」ですが、自衛官向けの参考にできるものはネットで探してもほとんど見つかりません。
「職務経歴書にはどんなことを書けばいいんだろう...」
「素直に訓練の事とか書けばいいのかな?」
そんな方の参考になれば幸いです!
ちなみに、私は幹部自衛官からの転職でしたので内容は幹部向けのものになっています。
しかし、陸士や陸曹でも共通する点は多くあると思います。
それでは紹介していきます!
履歴書はどう書いた?
提出する履歴書は転職サイト等で推奨されているフォーマットがあるので、基本的にそれに沿って書いていけば問題ないと思います。
多くの履歴書は以下のような項目で構成されています。
●本人の基本的な情報
→氏名・生年月日・現住所・連絡先
●学歴・職歴
●免許・資格
●特技・趣味
●志望理由・転職理由
この中で自衛官として書く時に迷うのは、職歴と転職理由くらいでしょう。
自衛官としての職歴は役職等を素直に書けば良い
一般企業では聞きなれない特殊な役職名になってしまいますが、特に問題ありません。
私の場合はこんな感じで書きました。
●陸上自衛隊 一般幹部候補生採用 (階級:陸曹長)
●陸上自衛隊 ○○駐屯地 ○○小隊長 (階級:3等陸尉)
●陸上自衛隊 ○○駐屯地 運用訓練幹部
●陸上自衛隊 ○○駐屯地 ○○小隊長 (階級:2等陸尉)
志望理由、転職理由はポジティブな理由を!
志望理由、転職理由は人それぞれですが、共通していることは「ポジティブな理由にすること」です。
前職である自衛隊への否定的な理由ばかりが並んでしまうのは、転職理由としては避けるべきです。印象も悪くなってしまいます。
ちなみに、エンジニアとしてソフトウェア会社に転職した時の私の転職理由はこんな感じでした。
実際に書いた転職理由(一部省略)
技術が進歩する ICT 分野で高い専門性を身につけ、個人や組織が抱える課題の解決に取り組む プロフェッショナルとして社会に貢献したいと考えたから。
幹部自衛官として勤務している中で、以下のことについて考えるようになった。
・公官庁、特に陸上自衛隊における ICT 技術導入の遅れ
・自衛隊におけるコストや効率化に対する意識の低さ
・興味を持って学んでいる IT 分野に関する知識・技術を活かすキャリアパスが存在しないこと
今後のキャリアと私がしたいことについて考えた結果、自ら専門性を高めて、プロフェッショナルとして社会へ貢献したいと思うようになり、転職を決意した。
転職理由の1番最初に結論を短くまとめて書きましたね!
職務経歴書はどう書いた?
職務経歴書についても転職サイトで様々なフォーマットが用意されているので、自分が書きやすそうなもの選択すれば問題ありません。
多くの職務経歴書は以下のような構成が多いです。
●職務要約
●活かせる経験・知識・技術
●職務経歴の詳細
●保有資格
●語学・実務経験
●自己PR
重要な部分のみ個別に紹介していきます!
活かせる経験・知識・技術
この項目は自衛官だとどんなことを書こうか迷いますよね。笑
少なくとも企業は、射撃、戦闘・戦技能力などのいわゆる「戦闘員としての能力」は求めていません。当たり前です。笑
企業でしっかりと活かせそうな経験・知識・技術を書く必要があります。
私はこのように書きました。
●Excel:訓練管理、編成・装備表の作成で使用
●Word:文書、調書の作成で使用
●PowerPoint:会議資料、報告資料の作成で使用
●自衛隊幹部として勤務し、年齢・経験の異なる部下たちを率いたリーダーシップ
●多くの部内外関係機関との調整で培った調整力
●独学で学んだプログラミング言語等(HTML、CSS、C言語、Java)
幹部自衛官として民間企業でも活かせそうな能力は、「リーダーシップ」と「調整力」くらいですね。
職務経歴の詳細
この項目は、民間企業からの転職の場合は「自分の実績をアピールする」項目になります。
「担当地区の売り上げ○%アップに貢献した」
「業務を改善したことで、○%のコスト削減を実現した」
こんな形で具体的な数値とともに、自分の実績をアピールします。
しかし!自衛官として民間企業が求めるような実績をアピール出来るという人はかなり少ないのではないでしょうか?
そもそも利益やコストといった概念は自衛隊では希薄です。
結局、私は民間企業にアピールできるような実績を書くことはできませんでした。
そのかわりに、私が担当業務で幹部として行っていたものを簡潔に記載しました。
あとは、「採用面接で聞かれたら答えよう」くらいの気持ちでしたね。笑
実際に書いた担当業務はどんなこと?
この時に書いた担当業務を項目のみ紹介します!
●教育・訓練に関する計画と実施
●各種行事の実行・運営
●部下に対する教育・指導
●部内外関係機関との調整
●報告資料・会議資料の作成
●公文書の作成・発簡
自己PR
自己PRを作成するにあたって、「自衛官として勤務した自分の強み」は何なのかを分析することが必要です。
私は、幹部として勤務した経験を振り返り、「リーダーシップ」と「調整力」の2点が強みだと判断しました。
この2点を自己PRに盛り込みつつ、志望していたIT業界・ソフトウェア会社に焦点をあてて書いてみました。
実際の自己PR
大学卒業後、自衛隊幹部として勤務し、年齢・経験の異なる部下たちのリーダーとして尽力 してきました。 特殊な仕事ではありますが、部下に目標と具体的な作業を指示して成果を獲得するという点 では、民間企業のリーダーと変わらないと思います。若くして10~70人の部下を管理した 経験は活かせるものだと思います。 また、幹部として多くの部内外関係機関の方々と関わり、業務を円滑にするための調整力が 身につきました。
現在、インフランジニア、特にサーバーエンジニアとしての転職を希望しています。IT ・プ ログラミングに関する知識については独学です。 将来はサーバーエンジニアとしての実務経験と高い専門性を活かし、求められるソフトウェア・ネ ットワークを構築して「人」と ICT 技術をつなぐ支えになりたいと考えています。
最後に
自衛官として身につけた知識や経験は特殊なものであり、民間企業ではそのまま活かせないものが多いのは事実です。
しかし、コミュニケーション能力や仕事の進め方などの対人関係に関する部分はあらゆる業界で共通するものだと思います。
そういった点を上手く自分の志望する業界に合わせて書くことが出来れば、良い「履歴書」と「職務経歴書」を仕上げることができると思います。
今回の記事が参考になればうれしいです!
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